

IMS調査
2005年の世界医薬品売上高は7%増の6,020億ドル
処方薬への患者アクセスの向上により
アジア、中南米、東ヨーロッパの新興市場が台頭
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Barbara Henderson Corporate Communications (610) 260-6639 bphenderson@us.imshealth.com |
2006年3月21日、米コネチカット州フェアフィールド発 ー 医薬品・ヘルスケア業界にマーケットインテリジェンスを提供する世界最大手IMS ヘルス (NYSE略号:RX)は本日、2005年の世界の医薬品売上高*(文末の注を参照)が、実質ベースで7%増の6,020億ドルに達したと発表しました。世界の主要10市場における2005年の成長率は5.7%で、前年の7.2%に比べてやや低下しています。これら主要10市場で世界の医薬品売上高全体の81%を占めているものの、中国、韓国、メキシコ、ロシア、トルコなどの新興市場は、軒並み世界平均を上回る二桁成長を遂げており、市場構成に重大な変化の兆しが見られます。
企業戦略担当上級副社長のマリー・エイトケンは、この点について次のように述べています。「成熟した市場の成長が緩やかになるにつれ、業界の注目は、規模的には小さいがとりわけ著しい伸びを示している発展途上市場へと向けられています。」「このような国々の多くでは、GDPが急激に伸びているため、医療システムの整備に注ぐことができる資金が豊富で、患者アクセスも増大しており、医薬品市場における二桁成長の原動力となっています。医薬品メーカーは、全般的な業績を伸ばす一つの手段として、これらの市場の未だ満たされていないニーズに対応するために動き出しています。」
製品開発技術革新とアクセス向上が成長を牽引
2005年に世界の医薬品市場の成長を牽引したのは、人口の長寿化、富の増大、革新的な新製品、既存医薬品の適応症拡大などです。昨年は、医薬品売上増全体の40%にあたる市場成長が、新製品の投入によってもたらされました。その中には、主要市場で発売された30の新規化合物も含まれています。
2005年に上市された注目すべき新製品として、2型糖尿病患者の血糖値制御の改善という新たな薬効を認められた最初の医薬品バイエッタ、睡眠潜時を短縮し、睡眠持続を改善する不眠症治療薬ルネスタ、血管新生加齢性黄斑変性症の治療薬マキュジェンなどが挙げられます。
「重篤な病気の治療においていくつかの躍進がもたらされています。病気予防のためのワクチンや、より効果的な救命治療を含め、数多くの有望な治療法が、現在、第III相臨床試験の段階に入っています。」とエイトケンは述べています。「例えば、ガーダシルやサーバリックスは、HPV(ヒトパピローマウィルス)に対する効果的なワクチンとして期待されています。HPVは、子宮頚癌の全症例の4分の3近くの原因であるとされており、昨年一年間で、世界中で25万人以上の命を奪いました。この他に、癌や循環器疾患、糖尿病などの治療法の開発によって、平均寿命が伸び、患者のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を向上させることもできるでしょう。」
2005年には、2,300品目以上の製品の臨床開発が行われました。これは2004年に比べ9%増で、過去3年間でみると31%増となります。様々な種類の有望な新薬が、現在、第III相臨床試験や承認前の段階に入っており、その中には、癌治療薬が96品目、循環器疾患治療薬が51品目、抗ウィルス薬・抗HIV薬が37品目、関節炎治療薬・鎮痛薬が28品目含まれています。現在開発中の新薬のうち、全体の27%が生物由来原料を用いたバイオ医薬品でした。これはかつてなく高い割合です。バイオ医薬品の分野も全体として力強い成長を遂げており、2005年、世界の医薬品市場で76億ドルも売上を伸ばしています。この分野をリードしているのは、アムジェン、ロシュ/ジェネンテック、ジョンソン・エンド・ジョンソンで、2005年のバイオ医薬品の売上は、17.1%増の527億ドルに達しました。
地域別実績
世界の医薬品売上高全体の47%を占める北米市場の2005年の売上高は、5.2%増の2,657億ドルでした。一方、ヨーロッパ市場の成長率は7.1%と北米よりやや高く、1,695億ドルとなりました。中南米での売上高はひときわ高い18.5%という成長率を示し、240億ドルとなり、さらに、アジア太平洋 (日本を除く)及びアフリカ地域でも11%増の464億ドルとなりました。世界第2位の医薬品市場である日本は、これまで長年、比較的低い成長率にとどまっていましたが、昨年は力強い成長を見せ、売上高は6.8%増の603億ドルに達し、1991年以来の高い前年比成長率を記録しました。このような実績を支えたのは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、抗ヒスタミン薬、癌治療薬などの成長と、アルツハイマー病治療薬のアリセプトなど老人病関連の薬や、カバサール、ペルマックス、ビ・シフロールなどパーキンソン病治療薬に著しい伸びが見られたことによります。
「日本での成長が回復を見せたものの、アジア太平洋地域で最も注目を集めているのは、やはり中国です。」とIMSグローバル・コンサルティングのジェネラルマネージャー、レイ・ヒルは述べています。「中国では、経済も堅調で、診断や治療を受ける割合が高まっています。多国籍製薬企業にとって、この両方を兼ね備えた中国は極めて大きな魅力を湛えています。中国市場に潜む長期的なビジネスチャンスを認識し、多国籍製薬企業の多くは中国での事業展開を拡大しています。」
2005年の中国での医薬品売上高は20.4%成長し、117億ドルに達しました。これで3年連続20%以上の成長を示したことになります。IMSでは、2009年までに中国が世界第7位の医薬品市場となると予測しています。
ブロックバスターは今後も増加の見通し
ブロックバスター(年間10億ドル以上を売り上げた製品)の数は、2005年には94品目に達しました(2000年には36品目)。2005年は新たに17品目のブロックバスターが誕生しました。2006年には、6品目のブロックバスターの特許が切れる予定ですが、新製品の発売により、また、既に市場に投入されている製品の中にも売上の伸びが見込まれているものがあり、この先5年間にブロックバスターの数はさらに増え続けると予想されています。
「ブロックバスターの終焉ということを主張するアナリストもいますが、そうは思いません。」とエイトケンは述べています。「実際のところ、既存の薬剤の適応症の拡大も見られますし、ニッチ製品・専門品の台頭、慢性疾患の治療薬への需要の持続が予想されることなどから、今後5年間、ブロックバスターは引き続き医薬品市場の成長にとって重要な役割を果たすであろうと、当社は見ています。」
今後の展望
多くの製薬企業にとって、2005年は転換期であったと言うことができます。医療費抑制に伴う課題、規制強化、安全性の問題などへの対応を迫られました。しかし、人口の高齢化に伴って高まる潜在需要、そして、高いニーズがありながらそれが未だ満たされていない分野でのイノベーションなどが原動力となり、今後も引き続き成長が予測されています。ジェネリック医薬品は今後、より大きな役割を占めるようになると考えられます。患者の医療費負担率が引き上げられ、医療費の増加を抑制しようという動きが高まっているからです。その結果、ブランド医薬品の価格が引き下げられる傾向が強まるでしょう。2005年、上位8つの医薬品市場(米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、日本)で、ジェネリック医薬品の売上は550億ドルを超え、今後5年間に二桁成長を遂げるだろうと予測されています。
IMSの予測では、医薬品市場は全体として、今後5年間、年平均5〜8%の成長を続けると考えられています。北米およびヨーロッパでは年率5〜8%の成長、アジア太平洋・アフリカ地域は9〜12%、中南米は7〜10%、日本は3〜6%という予想です。
「上位10市場における成長の減速とともに、ブランド医薬品に対するコスト効果の高い代替品としてジェネリック医薬品に注目が集まっていることは、世界中の製薬産業に数々の課題を提示しています。しかし、それが医薬品業界の成長を妨げる要因になるとは考えていません。」とエイトケンは述べています。「しかし、この市場が長期的成功を収める上で不可欠であるのは、医療費負担者と医薬品メーカーとが手を取り合って、予防・治療と費用抑制とを両立させることです。このことは、患者のクオリティ・オブ・ライフを向上させ、病気予防のためのワクチンを提供するという新たな医療提供のシステムの出現が近い将来に期待されている今日、不可欠かつ喫緊の課題です。」
追加情報
*世界の医薬品売上高には、調査対象国の調査結果と調査対象外国の推計値とが含まれています。これらの医薬品売上高は、世界市場の95%を網羅するIMS調査の結果、および、調査対象外の残りの5%についてはIMS ワールド・レビュー による推計値をもとに算出しています。売上高の伸びは実質ドルベースで計算されているため、その分析にあたって為替レートの変動による影響を考慮する必要がありません。医薬品売上高の数値は名目ドルベースで計算されており、医療用医薬品と特定のOTC薬のデータを含み、メーカー販売価格を使用しています。
世界の医薬品売上高、地域別医薬品売上高、売上高上位10薬効および製品など、世界の医薬品業界の2005年実績に関する各種詳細情報については、IMSのホームページからご覧いただけます。http://www.imshealth.com/mediaをクリックされてください。
IMSについて
IMSは世界100ヶ国以上を拠点に、医薬品・ヘルスケア産業にマーケットインテリジェンスを提供するリーディングカンパニーです。2005年度の売上高18億米ドル、業界で 50年間以上の実績をもち、ポートフォリオの最適化、ブランド管理と新製品の上市管理、MRの効率化、マネージドケアと一般用医薬品の管理、そして投資収益率を向上させ、質の高いヘルスケアを提供するためのコンサルティングやソリューションなど、お客様の日々の業務に欠かせない最先端のビジネスインテリジェンスを活用した製品とサービスを提供しています。IMSヘルス社に関する詳しい情報は、ホームページhttp://www.imshealth.comからもご覧いただけます。
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